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イン・ザ・プール [Book Review]

読書から遠ざかっていた。旅行先で手にしたこの本が気になり、読み進めた。

身体は正直だ。自分に偽ってやっていたことが崩れそうになると、頭の中では思いつかないのに身体や行動に出現する。

この小説では、伊良部という医師を訪ねる人は、他者視点を見失い、自分の立ち位置にしがみついている。その立場が崩れそうになって、身体の不調を訴えている。だが、結局、自分自身で状況に気付く。医師の突飛な行動に付き合っているうちに。

伊良部のいる神経科の診察室は、昭和的な雰囲気を漂わせているな、と感じた次第です。読み進めていくうちに、自分自身、少し浄化される気持ちになりました。
  • タイトル:イン・ザ・プール
  • 著者:奥田英朗
  • 出版社:文春文庫
  • 私の評価(5段階):★★★★

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