氏の晩年の最後の短編集。生と向き合う中で生み出されるものを読んでいる印象だった。氏の小説にある強い文調ではなく、あくまで自然体の表現で描かれていた。なので、生というものが、どこか、壊れやすいものとして表現されているように感じられた。個人的には、「生きる」が、母の晩年の姿と重なり、思い巡らす時間となった。