最初は貧乏旅行の話が進むので、私には馴染まないな、と感じて、なかなか読み辛かったのだけれども、香港とマカオの章に移ってから、街並みのディテールが思い浮かぶようになって、面白い、と読むスピードが軽やかになった。
この本が最初に刊行されたのが1986年なので、今からすれば、かなり古い街並みだと思うのだが、マカオでのカジノの様子だとか、普通は経験できないようなことが丁寧に説明されていて、異国にいた気分になれる。確かに、コロナ禍の緊急事態宣言下での推薦図書になるわけだ、と思った次第。
- タイトル:深夜特急1 香港・マカオ
- 著者:沢木耕太郎
- 出版社:新潮文庫
- 私の評価(5段階):★★★★